水稲の生育全期間にわたる腐積酸の処理がその生育および根の生理活性におよぼす影響

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水稲の生育、収量および根の生理活性におよぼす腐植酸の影響を処理時期を変えて検討した結果、次の結論が得られた。1)生育全期間を通しての腐植酸処理は、その生育を促すが、とくに茎数を著しく増加させる。2)生育時期別の地上部および根部の生体重、乾物重の変化をみると、腐植酸処理によって生育初期では根部での差が大きく、生育が進むに従って地上部での差が大きくなっていく。3)収量への影響は、生育初期からの処理は穂数の増加による増収となり、生育中~後期での処理は1穂当たりの着粒数増や登熟の向上によって増収する。4)腐植酸処理によって養分吸収力が高まる。そして、吸収の促進は、生育初期では株当たり、単位重量当たりとも増大するが、生育後期になると単位重量当たりでは差がなくなる傾向を示す。5)腐植酸処理した根の呼吸能は無処理区のそれよりも高く維持されて推移する。また、生育の途中でも腐植酸を処理した時点から呼吸能は増加する。6)根のα-ナフチルアミン酸化力は、生育が進むに従って低下する傾向を示し、腐植酸処理区も同様であるが無処理区よりも高いレベルで推移する。一方、生育の途中から腐植酸を処理すると、無処理区は低下していくのに対し、酸化力が著しく増大する。
1988-12-05

水稲の生育全期間にわたる腐積酸の処理がその生育および根の生理活性におよぼす影響

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