早春と1番草刈取り後の窒素施肥時期がチモシーの2番草生育に及ぼす影響

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チモシー単播草地において, 早春と1番草刈り取り後の施肥時期が, 2番草におけるチモシーのN吸と収量構成要素に及ぼす影響を3年間にわたり検討し, その結果から効率的な1番草刈り取り後の施肥時期を明らかにしようとした. 得られた結果は, 以下のとおりである. 1) チモシー草地の2番草収量は, 2番草刈り取り時の1茎重との高い正の相関を有し, 再生した前茎数および有穂茎数との間には密接な関係が無かった. 2) 独立再生長期におけるチモシーのN吸収を旺盛にすると, この時期から葉身屈折期までの1茎重が増加した.この時期の1茎重の増加は, 2番草収穫時の1茎重を増大させ, 2番草収量を高めた. 独立再生長期におけるチモシーのN吸収と1茎重との間には, 有意な相関が認められなかった. 3) 独立再生長期に施肥されると, この時期のチモシーのN吸収が活発となり, 1茎重を高めて2番草収量を増加させた. 4) 早春の施肥時期が遅いほど, 1番草時に発生した2番草に持ちこされた既存分げつの伸長促進効果の大きいことが示唆された. しかし, このような場合でも, 刈り取り直後に施肥された区の2番草収量は, 独立再生長期に施肥した区の収量をわずかに上回ったにすぎない. 5) 以上の結果から, チモシー草地における1番草刈り取り後の最も効率的な施肥時期は, 早春の施肥時期にかかわらず1番草刈り取り後10日間程度経過した独立再生長期開始時であることが明らかとなった.
社団法人日本土壌肥料学会の論文
1987-02-05

早春と1番草刈取り後の窒素施肥時期がチモシーの2番草生育に及ぼす影響

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