アーバスキュラー菌根の形成がオーチャードグラスの生育に及ぼす影響
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概要
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オーチャードグラスのアキミドリで認められたGlomus clarum(Gl. clarum)による生育阻害効果が,他のオーチャードグラス品種にも見られるものなのかを明らかにするために,アキミドリと他のオーチャードグラス4品種(ナツミドリ,ワセミドリ,アオナミ,キタミドリ)を用いてポット試験を行った。また,それぞれのオーチャードグラス品種においてALPaseの活性が確認される樹枝状体の個数及び割合を経時的に調査し,生育阻害効果とALPase活性との関係を検討した。1)84日間栽培後において,冬期,夏期の試験共にアキミドリとナツミドリには生育阻害効果が,アオナミとキタミドリには生育促進効果が見られた。2)ALPaseの活性が見られた樹枝状体の個数及び割合は,生育促進効果が見られた品種よりも生育阻害効果の見られた品種において低くなる傾向が見られた。以上のことから,Gl. clarumのオーチャードグラスへの生育阻害効果は,オーチャードグラスという植物種に対して見られるものではなく,品種によって異なることが示された。また,その品種間差は菌根を形成した根内における樹枝状体のALPaseの活性を有する樹枝状体の割合に起因している可能性が示唆された。
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 2003-02-05
著者
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