水稲の葉半における葉色と窒素濃度の葉位間変動の規則性 : 第2報内・外葉半への窒素の転流の偏り

概要

論文の詳細を見る
水稲の各葉位の葉半の葉色(葉緑素計値)は, 外葉半が内葉半よりも一般的に濃いことが明らかにされている. その要因として, 第一に外葉半は葉幅が狭く, 葉の容量が小さいことがあげられるが, 葉幅と葉の厚さに差異のない品種においても外葉半の葉緑素計値が高いので, 単なる葉の容量の差異だけに基づくものではないことを先に報告した. そこで第二の要因として吸収機能の差異が考えられるので, 内・外葉半側別に節根の量を調査し, 外葉半側が内葉半側より節根が多く吸収能が優ることを明らかにした. さらに第三の要因として吸収した窒素(N)の転流・再転流にかかわる機構の差異が考えられるので, ^<15>Nを特定の節根に供与し, 分げつ間ならびに葉半間における転流の差異について検討した. その結果, 特定分げつの節根が吸収した^<15>Nは, その節根をもつ分げつにのみ集中的に転流することが判った. さらに, 外葉半側の特定の節根に供与した^<15>Nは外葉半にのみ転流し, 個々の節根は地上部の特定の部位と密接な関わりを持ち, 転流における節根の役割分担はきわめて限定的であることを明らかにした. また, 内または外の葉半の中央部の葉面に^<15>Nを供与し, 供与した^<15>Nの葉半間における転流を調査した結果, 同一葉半内での先端部や基部への転流は認めたが, 中肋を乗り越えて葉半間を転流することは極めて少ないことを確認した. 以上のように外葉半側ではNの吸収能が優り, しかも吸収したNの葉半間における転流が少ないことから外葉半では葉緑素計値が高く保たれると推測した.
日本作物学会の論文
1996-06-05

水稲の葉半における葉色と窒素濃度の葉位間変動の規則性 : 第2報内・外葉半への窒素の転流の偏り

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク

水稲の葉半における葉色と窒素濃度の葉位間変動の規則性 : 第2報 内・外葉半への窒素の転流の偏り

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク

水稲の葉半における葉色と窒素濃度の葉位間変動の規則性 : 第2報内・外葉半への窒素の転流の偏り