水稲品種の窒素に対する反応とくに生育日数との関係
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概要
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45 (1986年乾期) および62 (1986年雨期および1987年乾期) の改良品種/系統を用いてIRRIの水田で圃場試験を行った。分化Sink量は頴花分化終期および出穂期の稲体の窒素量および生育期間の両方と乾期, 雨期とも相関を示した。窒素吸収量の品種間差は分げつ期にのみ明らかであり, 出穂期での稲体窒素量は生育期間と相関を示した。Sinkの退化率および退化量は生育期間と相関を示した。これは生育期間の長い程幼穂の生長期の窒素含有率が低いことによる。Sinkの量は頴花分化終期および出穂期の稲体の窒素量と相関があるが, 窒素量のSinkに対する貢献度は異なる。Sink量と生育期間との間には二次の相関が認められ, Sinkに対する最適生育日数は本実験の栽植密度の下では127日前後であり, 栽培法とくに栽植密度が異なる場合には変動するものと考えられる。収量は両作期とも登熟歩合に大きな差がありながらSink量と相関を示す。収量は出穂期および成熟期の稲体の窒素量と相関を示すが, Sinkの場合と同様に生育期間と二次の相関を示し, 最適生育日数は122日前後となる。Sinkと収量とで最適生育日数に差を生ずるのは, 登熟歩合が生育期間が長くなるにつれて低下するためである。最適生育日数より生育日数が短い場合, 長い場合ともに収量は低下するが, それはSinkが少ないことによる。その原因は短い場合には吸収N量が少ないことおよび吸収NのSink分化に対する効率の低いことに, 長い場合はSinkの退化の多いことにある。
- 日本作物学会の論文
- 1989-12-05
著者
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