術後欠損の補綴処置におけるQOL
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概要
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口腔癌に対する外科的治療では, その多くに術後の顎骨欠損が生じる.そしてその実質欠損が, 発語, 咀嚼, 嚥下などの口腔主機能にさまざまな機能障害をもたらすことになる.また場合によっては, 顔貌の変形に伴う審美障害をもたらす場合も少なくない.補綴学的には, それら機能障害に対して顎義歯を適用することにより対処している.顎補綴物によるリハビリテーションの目的は, 上記機能障害の改善と回復にある.平易な表現をするならば, 普通においしく食事ができ, 普通に会話ができ, どこへでも外出・外食できるようにすることである.上顎顎補綴患者にみられる機能障害の多くは, 上顎実質欠損による口蓋部閉鎖不全に起因するものと顔貌の変形に起因するものであり, 下顎顎補綴患者の場合には, 顎骨欠損やそれに伴う顎偏位そして舌の運動障害に起因するものが多い.顎補綴物によるリハビリテーションでは, これら機能障害の改善度・回復度を客観的に把握し, その効果が定量的に評価され, その評価結果を顎補綴物にフィードバックし, リハビリテーションに活かされることが望ましい.
- 大阪歯科学会の論文
- 2000-09-25
著者
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