学童期小児の唾液中におけるpenicillin G耐性菌の分布
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概要
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9〜12歳の小児9人の唾液を嫌気条件下で10μg/ml penicillin G (PCG) 添加血液寒天培地に塗抹し, PCG耐性菌の分離, 同定を行うとともに, β-lactamase産生性について検討した. PCG耐性菌は全症例から分離され, 菌数は3.0×10^2〜6.9×10^4CFU/mlで, 総菌数に対する割合は0.01〜0.99%であった. PCG耐性菌を同定すると, 偏性嫌気性グラム陰性桿菌のPrevotellaが優位に分離され, P. melaninogenicaの分離頻度が最も高かった. Prevotellaの50%以上の菌株はβ-lactamaseを産生した. Prevotella以外ではBacteroides, FusobacteriumおよびCapnocytophagaが分離され, β-lactamase産生株も見られた. この結果は, 成人と同様に小児の口腔でもPrevotellaが耐性化しやすく, その耐性機構にβ-lactamaseが深く関与していることを示唆している. したがって, 小児の感染症にβ-lactam剤を投与する際には注意を要する.
- 大阪歯科学会の論文
- 1992-04-25
著者
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