歯周ポケットへの線維素溶解酵素と抗生物質の貼用に関する研究
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概要
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歯周疾患治療における, 線維素溶解酵素剤(エレース軟膏^<(R)>)と局所抗生物質軟膏(ペリオクリン^<(R)>歯科用軟膏)との併用による有用性を知るために, 臨床的および細菌学的に検索した.臨床的検索では, 実験開始前にプラークコントロール, スケーリングを行ったのち, コントロール群, エレース軟膏^<(R)>単独投与群, ペリオクリン^<(R)>単独投与群, エレース軟膏^<(R)>とペリオクリン^<(R)>併用投与群の4群を設定し, 投与前後の種々な臨床パラメータを比較した.細菌学的検索では, 投与前後に4群の歯周ポケットから細菌を分離し, 総菌数と黒色色素産生嫌気性グラム陰性桿菌(BPNAR)数および全コロニー数に対する偏性嫌気性菌とBPNAR数の割合を比較した.さらに, 臨床分離菌株に対する塩酸ミノサイクリン単独群およびエレースと塩酸ミノサイクリンとの混合剤の最小発育阻止濃度(MIC)を測定した.その結果, エレース軟膏^<(R)>とペリオクリン^<(R)>の併用投与群は他の実験群に比較して, すべての臨床パラメータ, 総菌数, 偏性嫌気性菌の割合, BPNAR数およびBPNAR数の割合において, 強い減少傾向を示した.また, 臨床分離菌株に対するMIC検索で, エレースと塩酸ミノサイクリンとの混合剤のMICは, 塩酸ミノサイクリン単独群より低濃度に推移した.これらの結果から, エレース軟膏^<(R)>とペリオクリン^<(R)>の併用はペリオクリン^<(R)>単独使用よりも有効であることが示唆された.
- 大阪歯科学会の論文
- 1999-12-25
著者
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