ラットの上顎歯列側方拡大が頭蓋顔面の成長発育に及ぼす影響について
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概要
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成長発育期のラットの上顎歯列に側方拡大力を加え, 拡大力がその後の頭蓋顔面の成長発育に及ぼす影響について形態学的および組織学的に検討した. 4週齢のウイスター系雄性ラット60匹を用いた. 0.01インチの矯正線でヘリカルループを作製し, 上顎切歯間に歯科用レジンにて固定し, 上顎歯列の側方拡大を1週間行った. 矯正力を除去した直後, 3週, 6週, 9週後に屠殺し, 上下および側方方向の頭部軟エックス線規格写真撮影を行った. 撮影されたエックス線フィルムを5倍に拡大して形態分析を行い, 対照群と実験群とを比較検討した. また, ボーンマーカーとして実験期間中にテトラサイクリンとカルセインの2種類の硬組織ラベリング剤を用いて組織学的に検索した. なお, 対照群には75匹を用いた. その結果, 上顎切歯間の拡大は正中口蓋縫合を離開させ, 頭蓋顔面にも広範囲に影響を与えていた. 実験群の頭蓋の幅径は対照群より増大したが, 高径および長径では減少する傾向が認められた. 成長発育期における上顎歯列の側方拡大は, その後の頭蓋顔面の成長方向に変化をもたらすことが示唆された.
- 大阪歯科学会の論文
- 1992-10-25
著者
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