Powell分析による日本人小児の側貌軟組織の平均値ならびに理想値について
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概要
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成長発育を考慮した診断, 治療を行うという立場にある小児歯科臨床において, 側貌軟組織の外形線における経年的な平均値のデータは非常に重要であり, 同時に, その理想値は治療目標の確立に必要欠くべからざるものである. そこで, わたしたちは, 側貌軟組織外形線の分析にPowell分析法を採用し, 小児歯科の臨床の場で機動的に使用できるように日本人小児の側貌軟組織外形線の平均値ならびに理想値を求める目的で下記の研究を行った. 6歳から17歳までの日本人の1,518枚の側貌顔面写真について, Powell分析に基づく各計測項目を測定した. また, 16歳および17歳の側貌顔面写真276枚について, 審美的に優れた外形線を抽出し, このデータから側貌の理想値を求めた. そして, 以下のような結果を得た. 1) 日本人のPowell分析における各計測項目における6歳から17歳までの年齢別の平均値のデータを求めることができた. 2) Aesthetic triangleに関する4つの計測項目とNasolabial angleならびにSubnasale-StomionとStomion-Mentonの比は, 年齢による変化が認められなかった. Base to dorsum ratioと上顔面, 下顔面比を表わすNasion-SubnasaleとSubnasale-Mentonには, 経年的な変化が認められた. 3) 審美的に優れたと評価された顔貌を抽出し, 理想値を設定した. これらのデータは, 咬合誘導ならびに矯正治療を行う際に, 日本人の側貌軟組織の治療目標の設定において重要な参考資料になると考える.
- 大阪歯科学会の論文
- 1992-10-25
著者
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