高リグナン含有ごま新品種「ごまぞう」における収穫時期とリグナン含有量の変動
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概要
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ゴマ種子にはリグナンと総称される構造的に類似した物質が多く含まれており,その多様な機能性が報告されている.中でも,脂溶性リグナンであるセサミン,セサモリンと水溶性リグナンであるセサミノールトリグルコシド(STG)には,多くの機能性が報告されている.セサミンには肝臓や血清でめコレステロール吸収阻害および合成阻害効果(Hirose et al.1991)やエタノールにより上昇した血中のトランスアミナーゼ活性(GOTやGPT)を改善する効果(Akimoto et al.1993)等,セサモリンには肝臓や腎臓で過酸化脂質の生成を抑制する効果(Kang et al.1998)等が報告され,STGについてもラットの肝ミクロソームにおける脂質の過酸化抑制効果(栗山ら1996)等が報告されている.当研究室では,このような機能性を有するリグナンの中でも含有量が多い脂溶性リグナンのセサミンとセサモリンに着目し,これらの含有量が従来の品種より多い「ごまぞう」を育成した(安本ら2003).これらの成分はそり種子中含有量が登熟に伴い増減し,環境要因でも変動すると報告されている(安本ら2004).また,ゴマは無限花序で個体内における種子の熟度が不揃いであり,成熟期には下位節から〓果が裂開し,脱粒が始まる.そこで,本報告では育成した高リグナン含有品種を用いて収穫時期の遅れによる収量と,収穫物における脂溶性リグナン(セサミンとセサモリン)と水溶性リグナン(STG)の含有量について検討を行った.
- 日本作物学会の論文
- 2004-12-27
著者
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