自然降雨下での黒ボク畑地における数種農薬の浸透
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概要
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黒ボク畑地において2年間, ペンディメタリン, ジメトエート, イプロジオン, リニュロン, アセフェート, プロメトリンの浸透水をポーラスカップ法で採取し, 測定した.ジメトエートは, 施用後短期日に深さ50∿70cmの浸透水より約10μg/lが検出されたが, 消失も速やかであった.ペンディメタリンは極く微量が検出された.イプロジオンとアセフェートは浸透水より検出されたが, 検出濃度は試験年度で異なった.リニュロンとプロメトリンは浸透水から検出されなかった.表層土壌中の農薬残留量はアセトン可溶性画分(ASF)と水可溶性画分(WSF)を測定した.ジメトエート, イプロジオン, リニュロンのWSF/ASF比は時間とともに減少し, 浸透水中の検出濃度のジメトエート>イプロジオン>リニュロン(不検出)の順序と一致した.温度はジメトエートとイプロジオンの土壌の半減期に影響したが, 浸透水検出には影響しなかった.ジメトエートとアセフェートの浸透水濃度は土壌の湿潤状態が乾燥状態よりも高かったが, イプロジオンは逆であった.しかし, 累積降雨量は3農薬の浸透水濃度に影響しなかった.標準区と有機物施用区の間で, 浸透水中の農薬検出量がほぼ同じであり, 土壌残留量も差がなかった.
- 日本農薬学会の論文
- 2000-02-20
著者
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