水田土壌の硝化作用に及ぼす農薬製剤の影響の解釈

概要

論文の詳細を見る
水田土壌の酸化層を模した室内培養系を用いて6種の農薬製剤がアンモニア酸化活性に及ぼす影響を調べた.農薬無添加区における活性と単純に比較した場合, モンカット^[○!R]粒剤, アドマイヤー^[○!R]粒剤および常用量のコラトップ^[○!R]粒剤は活性を促進し, オリゼメート^[○!R]粒剤, フジワン^[○!R]粒剤および5倍量のコラトップ^[○!R]粒剤は活性を阻害し, またザークD^[○!R]粒剤は影響を及ぼさない, とそれぞれ判断された.一方, いくつかの粒剤添加区では田面水の初期pHが無添加区に比べ高いことから, それらの粒剤に含まれているアルカリ性助剤が活性に影響を及ぼしていると考えられた.そこで, 同じpHにおける活性を対照として比較したところ, モンカット^[○!R]粒剤による促進のすべておよびアドマイヤー^[○!R]粒剤による促進の一部は, アルカリ性助剤の影響であることが示された.また, コラトップ^[○!R]粒剤およびザークD^[○!R]粒剤は活性を抑制する成分を含んでいるが, その影響は無添加区との単純な比較では認知されず見過ごされることが示された.これらの知見より, 製剤を用いて硝化作用に及ぼす農薬の影響を評価する際には, 無添加区との単純な比較だけでは影響を過大あるいは過小評価する可能性があり, 培養系のpHの変化を考慮することが必要であると考えられた.
日本農薬学会の論文
1996-08-20

水田土壌の硝化作用に及ぼす農薬製剤の影響の解釈

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク