イネ幼苗根の伸長と細胞膜の水透過性に及ぼすイソプロチオランの影響
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概要
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イソプロチオランの植物生長調節作用機構を明らかにするために, プロトンNMR緩和時間法を用いてイネ幼苗根細胞膜の水透過性に及ぼす本剤の影響を測定し, 根の伸長に対する作用との関係を調べた.イソプロチオランは, 根の伸長を促進する6ppm近辺の濃度で根細胞の水透過性を高め, 根の伸長を阻害する50ppm以上の濃度で水透過を抑制した.このことより, ムレ苗防止などイソプロチオランの植物生長調節作用にはこの根の水透過性の変化が関与していると考えられる.なおエチレン, インドール酢酸は, 根の伸長に影響を及ぼす濃度においても水透過性は変化させず, イソプロチオランの作用発現にこれらのホルモンが介在しているという証拠は得られなかった.
- 1993-11-20
著者
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吉田 充
National Institute Of Agro-environmental Sciences
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行本 峰子
National Institute of Agro-Environmental Sciences
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