水稲幼苗中における種子殺菌剤ペフラゾエートの移行および代謝
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概要
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水稲種籾に浸漬処理したペフラゾエート(4-ペンテニル=(RS)-2-[フルフリル(イミダゾール-1-イルカルボニル)アミノ]ブタノアート)の幼苗期の水稲における移行および代謝を, 三種の^<14>C標識ペフラゾエートを用いて調べた.砂培土に播種後3週目における水稲体内の^<14>Cは, 三種の標識体において81.3∿86.3%が種籾中に分布していたが, 5週目には54.1∿55.8%に減少した.その減少は, ほぼ茎葉および根への移行によるものであった.一方, ペフラゾエートの代謝は活発で, 3週目に幼苗中全^<14>Cの49.1∿58.2%存在していたペフラゾエートは, 5週目には22.6∿25.4%に減少し, その大部分(90.2∿93.9%)は種籾に存在していた.主要代謝物として, 4-ペンテニル=(RS)-2-フルフリルアミノブタノアート, (RS)-2-フルフリルアミノブタノアート, 1-[(RS)-1-カルボキシラートプロピル]-3-ヒドロキシピリジニウム, N-(フラン-2-イルカルボニル)グリシン, (RS)-2-アミノブタン酸, イミダゾール, ヒダントイン, ヒダントイン酸が同定された.抱合体の生成はわずかであった.これらの代謝物から, 水稲中における代謝経路は土壌中とほぼ同じであると考えられた.
- 日本農薬学会の論文
- 1993-08-20
著者
-
長谷 寛
Ube Laboratory Agrochemical Research Department Ube Industries Ltd.
-
境 昭二
Ube Laboratory, Agrochemical Research Department, UBE Industries, Ltd.
-
竹中 允章
Ube Laboratory, Agrochemical Research Department, UBE Industries, Ltd.
-
西田 均
Ube Laboratory, Agrochemical Research Department, UBE Industries, Ltd.
-
木村 修一郎
Ube Laboratory, Agrochemical Research Department, UBE Industries, Ltd.
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西田 均
Ube Laboratory Agrochemical Research Department Ube Industries Ltd.
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竹中 允章
Ube Research Laboratory Ube Industries Ltd.
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境 昭二
Ube Laboratory Agrochemical Research Department Ube Industries Ltd.
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木村 修一郎
Ube Laboratory Agrochemical Research Department Ube Industries Ltd.
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