5-Dimethylamino-1, 3-dithiane 類の合成と殺虫活性
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概要
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5位にジメチルアミノ基を, 2位に電子吸引性基を導入した1, 3-dithiane誘導体が強い殺虫・殺ダニ活性を有することを前報で報告した.本報では, 5位にジメチルアミノ基を, 2位の一方にシアノ基を, もう一方に置換ベンゼンまたは置換カルバモイルを有する1, 3-dithiane誘導体を合成し, その構造と生物活性の関係を検討した.その結果, いずれの化合物も優れた殺虫活性を示した.なかでも, 2位の一方にハロゲン置換ベンゼンまたは, 窒素原子が炭素数6から10のアルキルで置換されたカルバモイル基を有する誘導体が強い殺虫・殺ダニ活性を示した.とくに, 2-cyano-5-dimethylamino-2-(N-n-nonylcarbamoyl)-1, 3-dithianeは, ニカメイガ, ヒメトビウンカ, ハスモンヨトウ, ニジュウヤホシテントウムシ, ナミハダニに卓効を示した.2-Cyano-5-dimethylamino-1, 3-dithiane類の酸化, 還元反応でネライストキシンモノオキシド(4-dimethylamino-1, 2-dithiolane 1-oxide), およびジヒドロネライストキシン(2-dimethylamino-1, 3-dimercaptopropane)が得られ, また合成した1, 3-dithiane誘導体の殺虫活性発現の仕方, 殺虫スペクトルがネライストキシン関連化合物(カルタップ, ベンスルタップ等)と酷似していた.これらのことより, 著者らが合成した1, 3-dithiane誘導体もカルタップ, ベンスルタップ等と同様に生体内においてネライストキシンに変換され殺虫・殺ダニ活性を示すプロドラッグと考えられ, 2位の電子吸引性基は生体内への浸透を促し, 代謝によってネライストキシンに変換されやすくするために有用であると考えられる.
- 1991-08-20
著者
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小西 和雄
Central Research Laboratories, Dainippon Jochugiku Co., Ltd.
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小西 和雄
Central Research Laboratories Dainippon Jochugiku Co. Ltd.
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小西 和雄
Central Research Laboratories Dainihon Jochugiku Co. Ltd.
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光寺 弘幸
Agricultural Research Laboratories, Agro Division, Takeda Chemical Industries, Ltd.
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光寺 弘幸
Agricultural Research Laboratories Agro Division Takeda Chemical Industries Ltd.
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