ピレスロイドアルコール部分の分子形状の類似性
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概要
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天然ピレスリン-I, ならびに神経生理学的にタイプIと呼ばれる合成ピレスロイドのアルコール部分の安定構造を分子軌道法計算(PCILO, AM1)による立体配座解析, 構造最適化により推定した.得られた最安定コンフォーマーを用い, これらの立体形状についてACACSシステムにより調べた結果, よい類似性が認められた.また, ピレスリン-Iのシクロペンテノン環と分子末端の2, 4-ペンタジエニル基を含む平面のなす角度(59°)が, 他の高い殺虫活性を有するピレスロイドの対応する部分でも認められ, 分子の形状が殺虫活性発現に寄与していることが推定された.一方, 電子分布や分子表面における静電ポテンシャルには類似性が認められず, 電子的な性質が活性発現においては2次的なものであると推定された.
- 日本農薬学会の論文
- 1989-02-20
著者
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片木 敏行
Laboratory of Biochemistry and Toxicology, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
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栗田 靖之
Pesticides Research Laboratory Takarazuka Research Center Sumitomo Chemical Co. Ltd.
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