ジフェニルエーテル系除草剤の作用機構 : ジフェニルエーテル処理タバコ細胞磨砕液の光依存性酸素消費現象の解析
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概要
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Acifluorfen-methyl (AFM) 1μMを暗所で処理したタバコ培養細胞磨砕液は, 光照射下で酸素消費を大きく増加させた.酸素消費増加と平行して磨砕液中には過酸化脂質が蓄積していた.この酸素消費の増加は, 他のジフェニルエーテルや環状イミド系除草剤にも観察され, 増加量は除草活性と相関が認められた.この現象を解析した結果, 磨砕液中にprotoporphyrin IXの蓄積が認められた.そこでtetrapyrrole合成促進効果を持つ2, 2′-dipyridylで細胞を処理したところ, 光照射下でAFMと同様の酸素消費増加が観察された.一方, protoporphyrin IXの蓄積から予想されたferrochelataseの阻害は実験された範囲のジフェニルエーテル系除草剤(DPE)には認められなかった.これらの事実から5-amino levulinic acid (ALA)合成系の促進が疑われ, ALA合成活性の測定を行なった.その結果, AFM処理した細胞は無処理に比べ, ALA合成活性が高く, ALA合成が促進されているものと考えられた.したがって, 今回実験された範囲のDPEの第一次作用点としてALA合成の促進が推定された.
- 日本農薬学会の論文
- 1988-08-20
著者
-
増田 建
京都大学理学部
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小路 弘行
The Graduate School Of Science And Technology Kobe University:(present Address)chemicals Development
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増田 建
Department of Plant Protection, Kobe University
-
松中 昭一
The Graduate School of Science and Technology, Kobe University
-
松中 昭一
神戸大学
-
松中 昭一
The Graduate School Of Science And Technology Kobe University
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