ホスフィンおよび臭化メチルのイネトウモロコシ種子の発芽への影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
イネおよびトウモロコシの種子をホスフィンおよび臭化メチルを用いて, 濃度, 水分含量, 温度, 時刻を種々変えた条件でくん蒸し, 両種子の発芽力への影響と薬剤の吸着について検討を行なった.イネは, ホスフィンに強い耐性を示し, 200mg/lの高濃度処理でも, すべての条件下で正常な発芽を示した.トウモロコシは, 高水分含量(15%)になると40mg/lで30∿35℃の温度域で発芽阻害を生じた.一方, 臭化メチルは, 両種子の発芽を強く抑制した.とくに, イネはトウモロコシに比べ発芽阻害を強く受けた.しかし, 低水分含量の種子では臭化メチルによる発芽抑制は軽減され, イネでは11%の低水分にすれば5mg/l, 5日間の処理で十分な発芽を示し, また, トウモロコシは13%以下の水分に調整すれば, 10mg/lでも発芽力を維持した.両くん蒸剤の種子による吸着は, 発芽抑制に大きく関与し, ホスフィンに耐性の強かったイネでは, トウモロコシに比べ吸着量は少なく, また, 臭化メチルでは, 感受性の高いイネのほうがトウモロコシよりも吸着量は多かった.
- 日本農薬学会の論文
- 1985-08-20
著者
-
中北 宏
Stored-Product Entomology Laboratory, National Food Research Institute
-
Sittisuang Prasoot
Stored-product Entomology Laboratory National Food Research Institute
関連論文
- α-Cedren-14-al : オオツノコクヌストモドキ (Gnatocerus cornutus (F.)) の集合フェロモンの微量成分
- ホスフィンおよび臭化メチルのイネトウモロコシ種子の発芽への影響
- Damage of Rough and Brown Rice by Four Stored-product Insect Species
- 感受性および抵抗性昆虫のホスフィン取込み量の差異