感受性および抵抗性昆虫のホスフィン取込み量の差異
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概要
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ホスフィンに対して感受性の異なる二系統のコクヌストモドキ, Tribolium castaneumを用いてホスフィン取込み量について検討した.大気下においては, 成虫, 蛹, 幼虫の各ステージで, 感受性系のほうが抵抗性系に比べ取込み量は多かった.しかし, 無酸素下では両系統ともに取込みは認められなかった.グリシン緩衝液で磨砕後の昆虫組織でも, 大気下ではホスフィンの取込みが確認された.しかし, この場合は系統間の差異は消失した.組織磨砕物の遠心分画を用いた試験で, 100, 000g上清画分(可溶性画分)にホスフィン取込み因子が存在することが判明した.この因子は酸素存在下で機能し, pH 5∿9の間で安定で, 50℃以上ではかなり失活した.以上の実験結果に基づいて, 抵抗性機構のスキームを提案した.
- 日本農薬学会の論文
- 1986-02-20
著者
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中北 宏
Stored-Product Entomology Laboratory, National Food Research Institute
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黒田 淳子
Stored-product Entomology Laboratory National Food Research Institute
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