新しいゴキブリ忌避効力評価法および天然精油のチャバネゴキブリに対する忌避性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
チャバネゴキブリに対する嗅覚的忌避性を評価しうる新しい方法として, 試験管法とビーカー法の2法を考案した.試験管法は, チャバネゴキブリの排泄物の付着した汚染濾紙を誘引源に利用し, 試験管中で供試化合物を処理したペーパーディスクに対するゴキブリの忌避反応の有無により検定する方法である.ビーカー法は供試化合物を含む試料を処理し, ビーカー中のゴキブリ数の変動により, 空間的な侵入防止効果および追い出し効果の有無を検定する方法である.これらの方法を用いて, 公知のゴキブリ忌避物質および天然精油の嗅覚的忌避性について検討した.α-naphthoquinone, 2, 3, 4, 5-bis(⊿^2-butenylene)tetrahydrofurfral, 2-hydroxyethyl-n-octylsulfideおよびnaphthaleneの公知の忌避物質は, 試験管法では, 低濃度で忌避効果を示したが, ビーカー法では2-hydroxyethyl-n-octylsulfideが弱い忌避効果を示したのみで, 他の化合物には有効な忌避性が認められなかった.一方, 天然精油では, Japanese mint oilおよびspearmint oil(native typeとScotch type)が顕著な嗅覚的忌避効果を示した.また, 蚊に対し強い忌避性を有すると報告されているcitronella oilなどの天然精油には強いゴキブリ忌避性が認められなかった.calamus oilなど数種の天然精油に性別による忌避性の差異が認められた.
- 1982-05-20
著者
関連論文
- チャバネゴキブリに対するモノテルペノイドの忌避性について
- 日本ハッカ油およびスペアーミント油(スコッチタイプ)中に含有するゴキブリ忌避物質
- 新しいゴキブリ忌避効力評価法および天然精油のチャバネゴキブリに対する忌避性
- アミノ酸系界面活性剤 (第6報) : Nε-アシルリシンの合成及びそのエチレンオキシド付加物の界面化学的性質