ミカンハダニのジコホルに対する感受性の変化とジコホル抵抗性の遺伝的解析
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概要
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ミカンハダニのジコホル抵抗性の現象を集団遺伝学的に解明するため, 第1報ではジコホルに対する感受性の変化と抵抗性の遺伝様式について検討した.1. ジコホルの効力が低下しているミカンハダニを野外(福岡県浮羽郡田主丸町および吉井町)から採集し, それぞれジコホルによる選抜集団と選抜を行なわない対照集団にわけ, 25℃の条件下で2年半∿3年間にわたって飼育を継続した.この間, 両集団のジコホルに対する感受性の変化について調べた.選抜集団では薬剤選抜により抵抗性がさらに増大したが, その抵抗性の程度に不安定な傾向が見受けられた.一方, 対照集団の場合はジコホルに対する感受性が13カ月∿23カ月後(約33∿58世代目)には著しく回復した.2. ジコホル抵抗性の遺伝様式について解明するため, 福岡県浮羽郡吉井町産のジコホル抵抗性系統と佐賀県小城郡小城町産の感受性系統との交配を行ない, 交雑F_1および戻し交雑雌成虫の抵抗性を濃度-死亡率プロビット直線, 曲線全体で検討した.この結果, ミカンハダニのジコホル抵抗性は単一の不完全劣性の主働遺伝子によって支配されているものと推定された.
- 日本農薬学会の論文
- 1979-08-20