一般好嫌色と被服着用好嫌色との相違性に関する研究 : 日・米・メキシコにおける大学生の好嫌色の交叉文化的検討
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概要
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被服の着用行動は, 被服の色彩嗜好やデザインの嗜好によって選択され, 行動自体が社会的文化的影響を受けていることが明らかになっている。しかし, 着用者は必ずしも嗜好色を着用するとは限らないし, また, 嗜好色を着用しようとすることも事実である。この着用, 非着用の差異と一致に着目し, 社会的な影響が大きいほど両者に開きがあると考え, 調査・実験をおこなった。その結果, 国別に双方の選択色の差異が認められるが, 日本の男子学生とアメリカの女子学生には差異が小さく, 被服の着用に際しての社会的意識が少ないと見られる。一方, メキシコ男子群と女子群は被服の着用好嫌色と一般好嫌色との一致に開きがあることが明らかになった。さらに影響の背景を明確化するためにクラスター分析をおこなった。その結果, 自己概念と被服行動特性が着用色を選定している可能性を見い出した。ここから, 被服の着用好嫌色と一般好嫌色の異同の形成は, 社会的文化的関係によって一義的に決まるものではなく, 個人の対人的環境を含む生活環境がその役割を果たしていると考えられる。
- 日本色彩学会の論文
- 1997-11-10
著者
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