古大津絵の色彩に関する研究 : 第1報 使用色の頻度特性について
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概要
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江戸時代初期, 仏画に端を発したといわれている大津絵は, 風刺とユーモアに富む絵の表現の面白さや独特の親しみやすい色使いをもっていて, 広く一般大衆から愛されてきた。その魅力ある大津絵に使用されている色とその頻度特性について追求すべく色彩分析した結果, 次のような結論を得た。1) 1枚の絵に使用されている色数は少なく, 無彩色以外に平均約3色相 (色数にして約5色) であった。2) 有彩色の使用はR, YR, Y, GYおよびGの連続する5色相のみで, 色調は中明度, 中〜低彩度色が多く, これらの色は自然環境によく見られる馴染み感のある色に属していた。3) R, YRの色相にbright, strong, deep卜ーンが多く使われ, これらと墨, 濃灰との併用で丹絵としての特徴が明らかにみられた。4) 仏画と世俗画の相違点は無彩色の使用にみられ, 世俗画の方が無彩色は多く使われていた。また, 仏画の一部には, 金泥使用がみられた。
- 日本色彩学会の論文
- 1994-02-01
著者
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