6. 最初期遺伝子Arcを用いたフェロモン記憶機構の解析(<総説特集>ケミカルコミュニケーションの世界)
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概要
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脳が外界からの刺激をどのようなメカニズムによって記憶するのかは非常に興味深い問題である。我々は鋤鼻系神経路をモデルとしてフェロモン記憶をシナプスの形態変化で捉えようと研究を続けている。しかし、まさに無数に存在する脳内のシナプスから特定の記憶に関連したシナプスのみを同定することは困難である。我々は現在、近年新しく発見された最初期遺伝子Arcを用いて、フェロモン記憶に関連したシナプスを標識することに取り組んでいる。ヒトはほ乳類の中では例外的に視覚に強く依存した生活体系を持っている。それは記憶にも大きく関連し、ヒトの記憶とは情景であることが多い。たとえば「初恋」というキーワードで連想ゲームをやれば、人によりその経験則から様々な情景を思い浮かべることだろう。なかには初恋の思い出はコロッケの匂いという人もいるかもしれないが、それは人という種の中ではむしろ例外である。
著者
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