4. 糸球体からみた嗅覚系・鋤鼻系の中枢情報処理のdichotomy(<総説特集>ケミカルコミュニケーションの世界)
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概要
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R. AxelとL. Buckによる匂い受容体遺伝子の解明は、その後、嗅球(主嗅球)における"匂い地図"という概念を生むことになり、嗅覚系の脳内情報処理に関する理解を飛躍的に進めることとなった。しかし、不揮発性分子による情報を受容し、"もう一つの嗅覚系"あるいは"副嗅覚系"と称されてきた鋤鼻系の情報処理機構に関する理解は未だに不十分のままである。これまで明らかにされた鋤鼻系に関する所見を嗅覚系と比べてみると、両者には明らかな構造的相違が認められる。例えば、同じ匂い受容体を発現した嗅細胞からの投射は、主嗅球において少数の大きな糸球体に収束するのに対し、同じ鋤鼻受容体を発現した鋤鼻細胞からの投射は、副嗅球において多数の小さな糸球体に終わっている。マウス副嗅球の糸球体層の構造を詳しく検討すると、主嗅球の糸球体周辺細胞が糸球体の周囲を規則正しく取り囲んでいるのに対し、副嗅球の糸球体周辺細胞は小さな糸球体の周辺に不規則に分布している。
- 日本味と匂学会の論文
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