数値計算モデルを用いた崖錐地形発達過程の検討
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概要
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本稿では,崖錐地形の発達過程を示す新しい数値計算モデルを提案した.新しいモデルは崖の侵食量と崖錐の堆積量のバランスに基づいており,崖の平行後退量と減傾斜後退量の比率を自由に設定することが可能であり,造崖層の上面と基底面の傾斜角も自由に設定できる.これは,実際の崖錐地形発達の計算に,従来の斜面発達モデルを適用する際の問題点を解決したものである.計算式は,4つの初期地形要素(上面斜面傾斜角,底面斜面傾斜角,崖の初期傾斜角,崖の初期比高)と4つの地形変化要素(崖錐の傾斜角,崖の平行後退距離,減傾斜後退角度,岩量変化率)より構成される.計算結果を時系列に並べることにより,崖錐地形発達過程の再現が可能である.崖の後退速度を経時的に一定と仮定している点は問題だが,このモデルを用いた計算結果は崖錐地形発達過程の実測値をよく再現しており,実際の地形変化への適用に有効だと考えられる.
- 日本情報地質学会の論文
- 2004-03-25
著者
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