直腸癌術後排尿機能温存のための骨盤神経の必要最小温存範囲に関する検討
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概要
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直腸癌術後排尿機能温存のための神経の必要最小温存範囲を明らかにするために骨盤神経全切除術(19例)と部分温存群(40例)を対象として神経温存程度(preserving score)別に術後排尿機能を検討するとともに術後1か月後の尿流動態検査(16例)で排尿機能回復を検討した. 術後の自己導尿離脱率は部分温存群が良好だった. 術後3か月以内の自己導尿離脱率を良好にするためにはpreserving score2点, すなわち両側の第4骨盤神経(S4)または片側第3および第4骨盤神経(S3, S4)温存が必要であった. 尿流動態検査で初発尿意容量200ml以下, 最大尿意容景400ml以下の症例は早期に自己導尿から離脱していた. 以上より骨盤神経の必要最小温存範囲は両側S4または片側S3・S4温存で, 術後1か月の尿流動援検査で排尿機能回復が予測可能と考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1999-03-01
著者
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