食道原発悪性黒色腫の3例
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概要
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過去10年間で3例の食道原発悪性黒色腫を経験した.3例とも嚥下障害を主訴とし中下部食道に発生し,黒色腫に特徴的なポリポイド様隆起性病変であった.症例1は69歳男性で,未分化癌の診断にて術前放射線療法施行し,腫瘤の著明な縮小を得て診断より4か月後食道亜全摘術施行したが肝,肺に転移あり,1か月後死亡した.症例2は60歳男性で,診断時すでに多臓器転移があり,DAV(dacarb-azine,nimustin hydrochloride,vincristine sulfate)およびOK432の免疫化学療法を施行したが効果えられず6か月後死亡した.症例3は56歳女性で,悪性黒色腫の診断後1か月で下部食道切除,胃全摘膵尾脾合併切除術施行.術後DAV療法を併用し16か月後の現在再発の兆候はない.食道悪性黒色腫は進行例が多く,予後向上のためには診断がつきしだいできるだけ早期の外科的切除と,放射線および各種免疫化学療法を施行すべきと思われる.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1991-03-01
著者
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鈴木 一男
豊橋市民病院外科
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金 祐鎬
久留米大学医学部第1外科
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鈴木 一男
久留米大学医学部第1外科
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熊谷 太郎
久留米大学医学部第1外科
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千木良 晴ひこ
久留米大学医学部第1外科
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加藤 岳人
久留米大学医学部第1外科
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金 祐鎬
名古屋大学第1外科
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