急性虫垂炎を契機に術前診断できた虫垂villous tumorの1手術例
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概要
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虫垂villous tumorの報告はきわめて少ない.症例は68歳の女性である.右下腹部痛を主訴に当院を受診した.McBurney点に限局した圧痛を認め, 白血球数15, 000/μl.CRP0.6mg/dlと上昇を示し, 急性虫垂炎と診断した.腹部超音波検査短軸像で盲腸虫垂入口部に低エコーを示す不整な壁肥厚が存在し, 長軸像で盲腸から虫垂にいたる低エコーの壁肥厚が認められた.盲腸, 虫垂腫瘍の合併を疑い, 注腸検査, 大腸内視鏡検査を施行し, 盲腸虫垂入口部にvillous tumorを認めた.生検の結果tubulovillous adenomaで, 早期癌の合併を念頭に置き腹腔鏡補助下で盲腸部分切除を行った.villous tumorは虫垂全長から盲腸に存在し, 組織学的検査では悪性像を認めなかった.虫垂villous tumorの診断に腹部超音波検査が有用であった.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2001-11-01
著者
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