胃癌からの小脳転移が疑われた1例
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概要
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胃癌術後に小脳転移が疑われた1例を経験した.症例は72歳の男性で, 胃噴門部から胃角部にかけて3型胃癌が認められたので胃全摘術, 脾合併切除を行い, 術後癌化学療法は点滴および経口にて行った.術後5か月頃より嘔気と体のふらつき感が出現したため頭部CT検査を行ったところ小脳に出血を疑わせる所見が認められた.その後, MRI, シンチグラムなどによる精査にて多発性の転移性小脳腫瘍と診断されたが, 大脳には転移は認められなかった.また, 肝, 肺および腹腔内にも転移は認められず, 局所再発も認められなかった.予後などについてのインフォームド・コンセントを行ったところ, 家人が転移巣に対する治療を望まなかったので保存的治療のみを行った.胃癌の脳転移はまれであり, 本例のように他臓器転移が無くしかも小脳のみに転移が疑われた例はさらに少ない.一般に転移性脳腫瘍の予後は不良である.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2001-02-01
著者
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