大腸内視鏡検査により発症した脾損傷の1例
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概要
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大腸内視鏡検査(colonoscopy, colonfiberscopy:以下,CFと略す)により,脾損傷を発症した1例を経験した.症例は72歳の男性で,腸閉塞により当院内科に入院した.20年前に胃潰瘍にて幽門側胃切除術を受けている.保存的治療で腸閉塞は改善したが,入院前より便秘傾向であったため,入院10日目に大腸内視鏡検査を行った.大腸内視鏡の挿入はスムーズで,大腸内にも異常は見られなかった.検査終了後4時間経過した頃より左上腹部に疼痛が出現し圧痛も認められた.また,血圧が低下しショック状態となった.血液一般検査にても赤血球数の減少と,血色素の低下が認められたので,出血によるショックと考えられた.腹部CT検査を行ったところ脾損傷が認められたので,緊急手術を行った.CFの合併症としての脾損傷は極めてまれであるが,左上腹部痛や,ショック症状があった場合には,脾損傷を念頭に置くべきである.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1999-12-01
著者
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