保存的治療で治癒後, 短期間で対側破裂を来した特発性中部食道破裂の1例
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概要
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胸部中部食道左壁の特発性食道破裂を保存的に治療した後, 胸部中部食道右壁に再発した症例を経験したので報告する.症例は74歳の男性.主訴は嚥下後の強い胸痛.胸部X線写真で縦隔気腫を認め, 食道内視鏡検査で胸部中部食道左壁に約2.5cmの破裂部を認めた.経鼻的に持続ドレジーナを行い, 保存的に治癒した.入院19日目に退院し, 普通食を摂取していた.退院5日後に少量の嘔吐をした際, 胸痛があり来院した.胸部X線写真で異常なかったが, CTで食道右側の縦隔気腫, 食道内視鏡検査で前回破裂部やや肛側の食道右壁に約0.5cmの破裂部を認めた.絶食のみで治癒した.初発, 再発とも発症から診断まで約5時間であり, 早期診断にはCTが有用であった.縦隔胸膜が破裂していなければ保存的治療のよい適応で, 経鼻持続ドレジーナが有効であった.また, 保存でき治療を行った場合, 治癒後の再発に留意する必要がある.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2001-02-01
著者
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