輸血歴のない術後肝障害について : S-GPT 高値例を中心として
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概要
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輸血歴がなく, かつ術前の肝機能検査で異常を認めない1,952例の術後 S-GPT 値の変化を観察した. 術後 S-GPT 値が50単位以上を示す例は169例8.7%であり, 上腹部患者, 悪性疾患, ハロセン麻酔例に多くみられた. これらを S-GPT 値の術後変化の様相により4型に分類した. 術直後より S-GPT 値が一過性に上昇する I 型は手術操作などによる一過性の肝障害とみなせる. II 型は術後一週間以後に S-GPT 値が上昇し, 好酸球増多症を高率に伴い薬物によるアレルギー性肝障害の可能性がある. III 型は術直後よりの S-GPT 値上昇が高度でしかも遷延化し, I 型に比し手術侵襲が大であると考えられる. IX 型は S-GPT 値が術後二峰性を示し肝障害の原因も多元的であると推定される.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1978-10-01
著者
-
古賀 明俊
九州大学医学部第一外科
-
中山 文夫
九州大学医学部第一外科
-
山内 昌一郎
九州大学医学部第一外科
-
山内 昌一郎
九州大学第一外科
-
中山 文夫
九州大学医学部第1外科
-
古賀 明俊
九州大学医学部第1外科
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