空腸悪性リンパ腫, 多発性大腸癌の術後に発症した粘液産生膵癌の1例
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概要
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症例は65歳の男性, 49歳時に空腸悪性リンパ腫, 同時性多発性大腸癌のため空腸部分切除, 横行結腸と直腸を残すように結腸右半切除およびRa部を含む結腸左半切除を行った.さらに55歳時に直腸癌のため残存直腸切断術を施行した.64歳時に頻回の嘔吐が出現, 試験開腹にて十二指腸下行部の腫瘍と診断, 姑息的に総肝管-空腸, 胃-空腸吻合を行ったが1年8か月後に死亡した.剖検にて悪性リンパ腫や多発性大腸癌の再発はなかったが, 膵頭部に腫瘍があり, 組織学的に膵管より発生した粘液産生膵癌で十二指腸壁へ浸潤, さらに腹腔内へ穿破していた.最近, 重複癌・多発癌の報告が増えているがこのような報告はない.一方, 満足せるQOLをもって16年余りの長期生存がえられたのは, 腹膜播種やリンパ節, 肝転移などがなく, また残存横行結腸が大腸としての機能を十分に果たしたことなどが考えられる.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1998-09-01
著者
-
西和田 敬
星ヶ丘厚生年金病院外科
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堀川 雅人
星ヶ丘厚生年金病院外科
-
中辻 直之
星ケ丘厚生年金病院外科
-
杉原 誠一
星ケ丘厚生年金病院外科
-
杉原 誠一
星ヶ丘厚生年金病院外科
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松村 一隆
星ヶ丘厚生年金病院外科
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中辻 直之
星ヶ丘厚生年金病院外科
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松村 一隆
星ヶ丘厚生年金病院
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