食道癌における超音波内視鏡のリンパ節診断能に関する臨床的研究
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概要
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食道癌35例の胸部リンパ節において, 超音波内視鏡所見と手術による摘出リンパ節所見を1対1に対応させ詳細に検討することにより, 超音波内視鏡の有用性と限界を究明した. リンパ節全体の描出率は33%であり, 右胸部気管リンパ節, 右肺門リンパ節, 肺靱帯リンパ節はリンパ節サイズに関わりなく描出率が低かった. 転移リンパ節の描出率は83%であり, 転移診断が可能なリンパ節は気管分岐部, 肺門リンパ節以外の短径4mm以上のリンパ節であった. (1)長径6mm以上, (2)不整, (3)境界明瞭, (4)内部エコー不均一, の4項目のうち3項目以上合致するリンパ節を転移と診断する, 独自の診断基準を作成した. この診断基準によりsensitivityは82%(14/17), specificityは97%(35/36), accuracyは92%(49/53)の結果をえた. 超音波内視鏡は気管分岐部, 肺門リンパ節以外の短径4mm以上のリンパ節の転移診断に有用であると考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1998-01-01
著者
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