判別分析をもちいた早期胃癌深達度診断の試み
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概要
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単発早期胃癌258例(m癌149例,sm癌109例)を対象として,統計学的手法により深達度診断を試みた.数量化可能な客観的パラメーター7項目をもちいて判別分析を行った結果,m癌とsm癌の2群を最もよく分離する下記の判別関数を得た.Z(x)=-3.44×10^<-1>x_1-8.08×10^<-1>x_2+2.08x_3-6.79×10^<-1>x_4+6.49×10^<-1>x_5+5.62×10^<-1>x_6-2.15ただしx_1に長径,x_2に肉眼型,x_3に占拠部位1,x_4に組織型,x_5に占拠部位2,x_6に性別を代入する.正診率はm癌で73.8%,sm癌で64.2%であった.リンパ節転移率は,真のm癌では0.7%,真のsm癌109例では20.2%であった.これに対し判別関数上のm癌では1.3%,sm癌では19.3%であった.今回得られた早期胃癌の深達度診断法は従来のX線,内視鏡検査所見を指標とする深達度診断に比べて遜色のない正診率であり,リンパ節転移の予測も含め,臨床上有用と考える.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1991-08-01
著者
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大村 健二
金沢大学第一外科
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疋島 寛
金沢大学第1外科
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中川 正昭
石川県立中央病院一般消化器外科
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中川 正昭
石川県立中央病院
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中川 正昭
石川県立中央病院外科
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中野 一郎
済生会石川総合病院外科
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疋島 寛
金沢大学医学部第1外科
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川浦 幸光
済生会石川総合病院外科
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金平 永二
済生会石川総合病院外科
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大村 健二
金沢大学第1外科
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