Two color flow cytometry法を用いたDNAおよびPCNA量定量による大腸癌の悪性度の評価
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概要
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大腸癌100例についてtwo color now cytometry法を用いて核DNA量とPCNA labeling rate(PCNA LR)を測定し,臨床病理学的因子との関係を検討した.DNA diploid(DD)は33例,DNA aneuploid(DA)は67例であった.同一検体で1次抗体を除いたものをnegative controlとしてcut off値の調整を行いPCNA LRを測定した.PCNA LRの平均値は60.25±14.31%であった.PCNA LRは,DDに比べてDAで高値を示した(p<0.05).PCNA LRが高値でDAの癌は,PCNA LRが低値でDDの癌に比べリンパ節転移,INF,Dukes分類でstageの進行した症例を多く認めた(p<0.01,p<0.01,p<0.05).予後は,DDの癌とDAの癌との間に有意差を認めなかったが,PCNA LRが高値でDAの癌は,PCNA LRが低値でDDの癌に比べ有意に不良であった(p<0.05).このように迅速かつ客観的評価に優れるflow cytometryによる核DNA量とPCNA LRの検討は,大腸癌の悪性度の判定に有用な手段の1つと考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1996-10-01
著者
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