胃癌に対するリンパ節郭清の縮小化と拡大化の現況と今後の展望(<特集>第42回日消外会総会シンポ1・胃癌治療の現状と展望)
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概要
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早期胃癌のリンパ節転移の実態は,粘膜筋板までにとどまるm癌と,粘膜下層の深層に及ぶ癌(sm_2)との間でリンパ節転移の態様に大きな差があり,早期胃癌に対する層別の標準術式の確立が必要である.また,現在の「胃癌取扱い規約」のAMC区分より,リンパ流を考慮した区分を重視して郭清範囲を縮小することも重要と思われる.今回,細胞膜貫通糖蛋白の1つであるデスモグレインの発現の有無あるいは強弱が,リンパ節転移の発現と有意の相関が認められた.このことは将来,何らかの分子生物学的手法により,リンパ節転移しやすい胃癌を術前にとらえることが可能であることを示唆するものである.拡大郭清を含めた今後のリンパ節郭清のあり方としては,解剖学的見地とリンパ流に基づいた「location and depth oriented therapy for gastric cancer」といった概念の確立が重要と思われる.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1994-04-01
著者
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夏越 祥次
鹿児島大学腫瘍制御・消化器外科
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石神 純也
鹿児島大学腫瘍制御学消化器外科
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愛甲 孝
鹿児島大学大学院腫瘍制御学・消化器外科学
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高尾 尊身
鹿児島大学腫瘍制御学消化器外科学
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高尾 尊身
鹿児島大学
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帆北 修一
鹿児島大学大学院消化器外科
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才原 哲史
曽於郡医師会立病院外科
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石神 純也
鹿児島大学
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才原 哲史
鹿児島大学医学部第1外科
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帆北 修一
鹿児島大学 医学部 第一外科
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愛甲 孝
鹿児島大学
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夏越 祥次
鹿児島大学 保健学科外科分野
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才原 哲史
今給黎総合病院外科
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