筋緊張性ジストロフィーに併存した腸石イレウスの1例
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概要
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症例は54歳の女性で, 筋緊張性ジストロフィー (myotonic dystrophy : 以下, MD と略) のため外来通院中であった. イレウスの診断で約3か月間神経内科にて保存的治療をうけたが, 媛解と増悪を繰り返したため外科へ紹介された. 開腹すると回腸内に鶏卵大の腸石1個がイレウスの原因となっており, 小腸切開によりこの結石を摘出した. 術後経過は良好であった. MD は骨格筋症状を始めとして内臓平滑筋運動障害や全身の臓器・組織の失調など多彩な症候を呈する全身性疾患である. また, 腸石はこれまで, 腸石の形成機序として機械的因子と化学的因子が指摘されており, 憩室, 盲嚢, 狭窄などにより腸内容の停滞は機械的因子として報告されてきた. 本症例では, MD による小腸平滑筋の運動障害が直接腸内容の停滞の原因と考えられた. 以上, MD に併存した腸石イレウスの1手術例を報告し, 若干の文献的考察を加えた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1993-07-01
著者
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