虫垂穿孔性汎発性腹膜炎に続発した多発空腸穿孔の1例
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概要
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汎発性腹膜炎のためpreshock状態で来院した11歳の男児に虫垂穿孔性腹膜炎の診断のもとに開腹し,虫垂穿孔と回盲部,ダグラス窩の膿瘍形成,さらに左上腹部に多量の黄色混濁した胆汁様液を貯留する腔の形成を認めた.虫垂切除術とドレーン挿入術を施行した.術後1日目,左上腹部へ挿入したドレーンから多量の胆汁流出を認め,術後3日目に空腸穿孔の診断のもとに再手術を行った.上部空腸側壁にφ2mmの打ち抜き型穿孔を2か所認め,1か所は単純縫合,1か所は模状切除を行った.病理所見は空腸の非特異性潰瘍と穿孔であった.特殊な臨床経過,術中所見,病理所見などから,虫垂穿孔性汎発性腹膜炎が空腸の非特異性腫瘍の形成穿孔に深く関与していたと思われた.過去20年の文献的検索では,虫垂穿孔性汎発性腹膜炎に続発した多発空腸穿孔の症例報告はなく,若干の考察を加えて報告した.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1990-09-01
著者
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