結核性リンパ節炎による総胆管狭窄症の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は30歳男性で,右季肋部痛と肝機能障害にて入院.Endoscopic retrograde cholangio-pancreaticography(以下ERCP)にて膵上縁で総胆管に2cmの長さの平滑な圧迫狭窄を認め,この部分に腹部X線やcomputed tomography(以下CT)で石灰化した小腫瘤を認めた.頸部リンパ腺結核の既往があり,ツベルクリン反応が強陽性であることから胆道周囲のリンパ節結核による総胆管狭窄と診断した.開腹所見では径2cm大の腫大したリンパ節を膵上縁の総胆管周囲に2個認め,これを切除した後Hegar拡張器にて総胆管狭窄を解除し,T-tubeを留置した.術後一過性の肝機能障害を認めたが46日目に退院した.結核性リンパ節炎による総胆管狭窄はきわめてまれで,本邦において8例,国外でも散発的に数例の手術報告例があるにすぎない.本邦例8例では手術は自験例のようにリンパ節摘出以外に,3例に総胆管空腸吻合術が施行されており,すべて良好な経過を得ているようである.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1990-04-01
著者
-
高橋 英治
市立泉佐野病院外科
-
角村 純一
大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター外科
-
中川 公彦
市立泉佐野病院外科
-
森友 猛
市立泉佐野病院外科
-
河村 純
大阪労災病院
-
田山 雅雄
大阪大学医学部第一外科
-
田山 雅雄
市立泉佐野病院外科
-
角村 純一
市立泉佐野病院外科
-
河村 純
市立泉佐野病院外科
関連論文
- 603 当院に於ける胃原発非上皮性悪性腫瘍6例の検討(第31回日本消化器外科学会総会)
- 29. 空腸・空腸重積症を来した Peutz-Jeghers Syndrome の 1 治験例(第 11 回近畿地方会)
- 12.Anorectal myectomyが効を奏した慢性便秘症の2例(主題II H病類縁疾患と肛門内圧(1), 第13回小児消化管内圧研究会)
- 腹直筋血腫の2例
- 特発性門脈圧亢進症に合併した人工肛門静脈瘤, 食道静脈瘤の1治験例
- 示-315 門脈・肝動脈両血行再建を伴う膵全摘を施行した膵癌のうち術後1年以上を生存した5症例の検討(第40回日本消化器外科学会総会)
- 252 膵全摘後膵尾部自家移植膵の再発形式よりみた根治性追求についての一考察(第40回日本消化器外科学会総会)
- 54.ヒルシュスプルング病に対する Soave 変法術後の検討(第17回日本小児外科学会近畿地方会)
- 6. 稀な新生児腸閉塞症の 1 治験例 : Immaturity of Ganglion Cells と考えられる症例(第 14 回日本小児外科学会近畿地方会)
- 47. 神経芽細胞腫の臨床的検討(第 14 回日本小児外科学会近畿地方会)