肝切除後の再生肝における腫瘍増殖に関する研究
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概要
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癌の根治を目的として原発性肝癌や転移性肝癌に対して,積極的に肝切除が行われるようになってきた.当外科において肝切除を施行するも,癌巣の一部や娘腫瘍が取り残された症例で,残存腫瘍が急速に増大するのを経験した.その増大率は,測定間隔を約3ヵ月とし,60%以上の高値を示した.この解明のために,ラットにて70%肝切除群と肝非切除群とに分け,残存肝内に吉田肉腫を移植し^3H-TdRを用いて,autoradiographyにて検討を加えた.肝非切除群においては,肝細胞及び腫瘍細胞では,標識率は5%以下であったが,肝切除群においては,肝細胞は10〜20%,腫瘍細胞では50〜60%の高値を示した.又,mitomycin C(MMC)は残存肝内の腫瘍に対してより効果を示した.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1985-04-01
著者
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