Chilaiditi症候群の1手術例
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概要
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今回我々は,Chilaiditi症候群の1手術例を経験したので報告する.症例は88歳の女性.主訴は胸部不快感,食欲不振.数日前より食欲不振,右胸部不快感を認めたため当院受診した.胸・腹部X線検査で右下肺野に腸管ガス像を認めたため精査目的で入院した.胸・腹部CTで大腸ガス像が肝前面に認められ,横隔膜下に存在しておりChilaiditi症候群と診断した.有症状で本人・家族の希望もあり手術を施行した.手術は結腸の癒着を剥離し,上行結腸中央部付近から横行結腸中央部付近までを自由にしたのち右結腸曲を右壁側腹膜に固定した.経過良好で術後21日目に退院した.Chilaiditi症候群は結腸のみの嵌入で無症状であれば経過観察される場合が多い.しかし小腸嵌人の場合は絞扼の可能性があり,また本症例のように結腸型でも有症状であれば手術適応となる.本疾患は手術手技は困難ではないが,手術適応の決定に難渋する疾患である.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2003-08-01
著者
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