感染性仮性横行結腸間膜嚢胞の1例
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概要
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症例は43歳の女性.右側腹部痛,発熱を主訴に当院を受診.腹部超音波検査および腹部CT検査にて径13cm大の単房性嚢胞を認めた.腹痛の増強とともに筋性防御が出現し,緊急開腹術を施行した.表面平滑で巨大な腫瘤が横行結腸間膜から発生しており,横行結腸に強固に癒着していた.腫瘤とともに横行結腸を合併切除した.腫瘤は15×12×10cm大の単房性嚢胞で,嚢胞内容液は悪臭を伴う褐色膿性液であった.病理組織学的には嚢胞壁は線維性結合織を主体に形成され,脂肪織を巻き込み壊死と多数の好中球浸潤を伴っていたが,内腔面・嚢胞内容液に上皮細胞は認めなかった.肉眼的・病理組織学的に横行結腸との交通は認められなかった.以上より,感染性仮性腸間膜嚢胞と診断した.感染を伴い急性腹症として発症した仮性嚢胞の報告例はなく,自験例はきわめてまれな1例と考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2003-02-01
著者
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