肛門管癌に高度なFournier症候群を合併した1例
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概要
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Fournier症候群は,外・会陰部の皮下組織に生じる壊死性筋膜炎で,早期に適切な治療を施さないと予後が不良となるまれな疾患である.症例は62歳の男性.痔瘻を繰り返し起こしていた.高熱,左上臀部・大腿・下腿後面の腫脹のため来院.応急的に肛門周囲を切開排膿した.4日後,人工肛門を造設し,左上臀部,大腿,下腿の切開排膿,洗浄,ドレナージを施行した.肛門は変形,狭窄していた.細菌は大腸菌および4種類の嫌気性菌であり,術後高圧酸素療法を施行した.2週後.adenocarcinomaと診断され,腹会陰式直腸切断術を施行した.腫瘍は肛門管の3型進行癌,中分化型腺癌であった.進達度はa2, #251L, 271R, 271L, 292L, 293Lにリンパ節転移を認めた.非常に広範囲のFournier症候群に,肛門管癌を合併した極めてまれな症例を経験した.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2003-11-01
著者
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