動圧気体軸受面へのスパッタリング(第2報) : MoS_2膜の摩擦磨耗特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
動圧気体軸受の起動停止時における摩擦特性を改善するために, スパッタ技術によって軸受表面にMoS_2固体潤滑膜を生成した.MoS_2膜は高精度に仕上げた金属表面に0.5〜3μmの厚さで生成した.これらの膜は, 低速摩擦試験の結果低い摩擦係数を示した.更にスパイラルグルーブ動圧スラスト気体軸受(軸受面の平面度1μm)を用いて起動・停止における膜の潤滑性を評価した.MoS_2スパッタ膜で処理した軸受は膜厚2μm以上あれば実用的にも十分で, 250回を越える起動・停止にも耐えた.摩擦係数μ*(トルクから算出した値)も定常状態でμ*=0.3と低い値をとった.前報で報告したTiNスパッタ膜は軸受面の損傷防止を主な目的としたが, このMoS_2スパッタ膜は軸受の起動・停止時における摩擦特性を改善, 特に起動トルクの低減に有効なことが明らかとなった.これらの試験結果から, 80K付近の温度で運転する遠心形ヘリウム圧縮機用動圧気体軸受面にTiNおよびMoS_2スパッタ膜を適用した.TiNおよびMoS_2スパッタ膜は低温雰囲気中での使用にも良好な起動特性と軸受面の保護効果を発揮した.
- 1982-07-05
著者
関連論文
- 動圧気体軸受面へのスパッタリング(第2報) : MoS_2膜の摩擦磨耗特性
- スターリングサイクル機器におけるトライボロジー
- 臨界点近傍の流体物性
- 小形ヴィルミエ冷凍機の研究 : 性能試験結果と計算結果との比較
- 小形ヴィルミエ冷凍機の研究 : 簡易モデルによる冷凍機の性能計算
- 宇宙用大形マニピュレータのアクチュエータの試作研究
- 動圧気体軸受面へのスパッタリング(第1報) : TiN、TiC膜の摩擦摩耗特性
- 小型ヴィルミエサイクル冷凍機の開発
- アブストラクト