超精密円筒加工
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概要
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本研究の目的は, 真円度≈0加工, すなわち, 正円旋削法の理論・技術の究明にある.正円成形の原理に従って, この超精密円筒加工の可能性が解析され, チャック方式による精密旋削法が, 不感性振動切削機構, 空気軸受による主軸系と重畳超仕上との組合せによって創案された.その方法は, まず最初の工程で空気軸受を利用した旋盤主軸に工作物をチャックし, これを振動切削による規則的な連続したパルス切削力波形を作用させて旋削し, 次の工程で重畳超仕上で仕上げる方法である.この方法の鍵は, バイト刃先の振動精度と, 重畳超仕上装置の高精度化にある.これらは, 振動切削装置においては, 大振幅が得られるねじり振動系バイトと, 新しい超音波振動砥石における相当結合度特性を利用した重畳超仕上装置の創案によって解決された.その結果, 旋盤を用いて, 炭素鋼, ステンレス鋼焼入鋼(H_RC41,53,60)に対して, 真円度0.1〜0.2μm, 表面粗さ0.03〜0.09μRmaxの精密円筒の加工に成功した.以上の結果から, この新しい方法とこれらの装置を取り付けた旋盤を使用することによって, 真円度≈0,円筒度≈0,表面粗さ≈0の超精密円筒の旋削加工ができると考える.
- 1982-10-05
著者
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