動力伝達用ポリアセタール歯車の強度の研究(第1報) : 曲げ強さおよび摩擦強さ

概要

論文の詳細を見る
本報は押出成形したポリアセタール丸棒よりホブ切りした平歯車に鋼または鋳鉄平歯車をかみあわせ, 動力循環式歯車試験機を用いて荷重を20〜60kgf/cmとして室温および無潤滑の下で実験し, Hertzの接触応力, 曲げ応力およびピッチ円周速度がポリアセタール歯車に及ぼす影響について検討した.結果を要約すれば次のようである。(1)曲げ応力からの許容荷重P_<fa>はLewisの式の補正係数f_vの代わりに実験によって得られた温度上昇より求めた補正係数K_<t(v)>を用いて計算し求めた。(2)摩耗の限界からの許容荷重P_cはHertzの接触応力を実験から得られた摩耗の式に適用して計算し求めた。(3)許容荷重はP_faの小さい方の値を用いる。(4)ポリアセタール平歯車の使用限度は強度に対して摩耗の影響が大きいため, 無潤滑運転では短い使用時間かまたは低ピッチ円速度である。(5)寿命は摩耗が少ないことから鋼歯車の方が鋳鉄歯車より有利である。
公益社団法人精密工学会の論文
1980-10-05