肺癌TNM分類(1997年)の評価と問題点

概要

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新TNM分類の評価を目的に非小細胞肺癌の手術成績とE因子を検討した.【対象】(1)予後:Complete resectionから5年以上経過した364例.(2)胸腔内洗浄液細胞診:術前の胸部CTに胸水貯留の認められなかった腺癌連続313例.【結果】(1)5生率は全ての死亡を含んで検討された.I期A;76%, B;65%(p=0.0314), II期A;63%, B;54%, III期A;25%, B;17%であった.pT3N0M0(48%)はIIIA期より良好な予後を示し, pm1の成績はN因子で左右された.IA期で腫瘍径2cm以下の5生率は91%となり2.1〜3cmより有意に良好であった.(2)46例, 14.7%が洗浄液細胞診陽性であった.【結語】1)新分類について:a)A, Bに細分化された意義はI期にのみ認められた.b)T3N0M0の病期変更に意義を認めた.c)N因子を考慮に入れないpm1=T4は治療成績を反映しなかった, の3点が判明した.2)今後の改訂について:a)最大腫瘍径2cm以下を重視する, b)開胸時の洗浄液細胞診を病期分類に反映する, c)死亡例の扱いを明記統一する, の3点を協調した.
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
1999-05-15